2026年7月15日(水)、株式会社宣伝会議が主催する「AIO・LLMOカンファレンス - AI検索時代の選ばれるゼロクリックジャーニー戦略 -」が、東京都港区の宣伝会議セミナールームで開催されました。
株式会社シードからは、Webマーケティング事業部 執行役員の佐々木一郎が登壇し、『AIO解体新書』ブラックボックスを暴く「情報で引用される」×「名前で推薦される」新しいマーケティング・ブランド戦略と題して講演を行いました。
本記事では、当日の講演内容をレポートします。

宣伝会議セミナールームで開催された「AIO・LLMOカンファレンス」
本記事のまとめ:AIOの「引用」と「推薦」早見表
| AIOがやっている2つの処理 | AIOには「引用プロセス」と「推薦プロセス」があり、中身がまったく異なる。目的を決めてから施策を選ぶ必要がある |
| 引用されるための施策 | ・E-E-A-Tと構造化はSEOと共通 ・クリック率は関係ない ・冒頭に結論を置き、1ページで完結させる |
| 推薦されるための施策 | ・比較まとめメディアへの掲載 ・口コミ、レビューの蓄積 ・ブランドメンションによるエンティティ認識の強化 |
AIO・LLMOカンファレンスとは
生成AIの普及により、生活者の情報収集行動は「検索結果から選ぶ」スタイルから「AIが提示する回答を受け取る」ゼロクリック検索スタイルへと大きく変化しています。
この変化にともない、企業側には「サイトへの流入数が減った」「自社の情報がAIの回答に反映されない」といった新たな課題が生まれています。
求められているのは、検索エンジンだけでなく生成AIやLLMに正しく情報を認識させ、ユーザーに推奨されるための最適化戦略、すなわちAIO(AI Overviews)やLLMO(LLM Optimization)の実装です。
- イベント名:AIO・LLMOカンファレンス(AIO・LLMOカンファレンス2026)
- 開催日:2026年7月15日(水)13:00~17:05
- 会場:宣伝会議セミナールーム(東京都港区南青山3-11-13 新青山東急ビル8F)
- 主催:株式会社宣伝会議
- 講演枠:16:35~17:05
- 講演タイトル:『AIO解体新書』ブラックボックスを暴く「情報で引用される」×「名前で推薦される」新しいマーケティング・ブランド戦略
- 登壇者:株式会社シード Webマーケティング事業部 執行役員 佐々木 一郎
本カンファレンスには、株式会社メルカリ、株式会社Faber Company、株式会社マイベスト、株式会社アイスタイル、株式会社ミツエーリンクスなど、AIO・LLMO領域で先行する企業が登壇しました。
AIOがやっていること|2つのまったく異なる処理
講演はまず、AIO(AI Overviews)が実際に何をやっているのかを分解するところから始まりました。
- 引用プロセス:「〇〇とは」「方法は?」などの検索クエリは、Web上のコンテンツを解析し、回答文と引用元を表示する
- 推薦プロセス:「おすすめは?」「比較したい」なの検索クエリは、学習データとリアルタイム情報から、AIが推薦するブランド名を名指しする

AIOの内部処理を「引用プロセス」と「推薦プロセス」に分解して説明
引用プロセス
「〇〇とは?」「方法は?」といった質問に対して、AIがWeb上のコンテンツを解析し、回答文を生成して引用元を表示する流れです。
これは情報提供型のプロセスです。
推薦プロセス
「おすすめは?」「比較したい」といった質問に対して、AIが学習データとリアルタイム情報を組み合わせて、ブランド名を名指しで推薦する流れです。
これは意思決定支援型のプロセスです。
同じ「AIO対策」という言葉を使っていても、この2つの出力プロセスがまったく違います。
したがって、狙うべき施策もまったく異なります。
あなたが狙っているのは「引用」ですか、「推薦」ですか

講演中盤、会場に投げかけられた問い
ここで、講演では会場に対してひとつの問いが投げかけられました。
「AIO対策として、引用を狙っていますか。それとも推薦を狙っていますか」
弊社にAIO施策をご相談をいただく企業様でも、この整理ができていないケースが増えています。
「AIO対策をしたい」という言葉だけが先行し、2つを混同したまま施策が走っているケースが見受けられます。
混同すると起きる2つの失敗
「記事数を増やす」がKPIになってしまい、質が伴わないまま本数だけが積み上がるパターンです。一次情報がない、回答の完結性がない、内部構造が整っていない。この状態では、いくら本数を増やしてもAIは引用してくれません。コストだけがかかって成果が出ない、という結果になります。
比較記事や情報コンテンツを自社メディアでいくら増やしても、「おすすめ」系のクエリでブランド名が出てくるとは限りません。検索上位メディアや有力メディアをはじめとした掲載露出が不足していれば、AIOに推薦されないからです。AIO施策の労力そのものが的外れになってしまいます。
AIO戦略の全体像|4象限で整理する
講演では、AIO戦略を4象限のマトリクスで整理していました。
縦軸が「コンテンツ施策」か「ブランド施策」か、横軸が「情報フェーズ」か「比較・購買フェーズ」かです。
| 情報フェーズ | 比較・購買フェーズ | |
| コンテンツ施策 | 1.自社コンテンツが引用される コラム作成、構造化、E-E-A-T強化 |
3.比較記事が引用される 競合比較コンテンツ、選定基準記事 |
| ブランド施策 | 2.認知を広げる メンション獲得、PR、SNS活用 |
4.ブランドが推薦される 上位メディア掲載打診、ブランドメンション戦略 |
このうち、講演では特に重要な「1.引用」と「4.推薦」の2つに絞って深掘りしています。
軸1.引用される施策|SEOの延長でありながら、違うもの

引用されるコンテンツの条件を解説
軸1「引用される」ための対策は、実はSEOの延長線上にあります。
SEOと共通する要素
- E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性):著者や監修者の明示は引き続き重要
- 一次情報、独自データ:自社調査、実績データ、体験談
- 構造化されたコンテンツ:h2、h3の論理構造と箇条書き
これらはSEOで重要とされてきたものが、そのままAIOでも効いてきます。
AIO固有で新たに意識すべき3点
1.クリック率は関係ない
セッション数が多ければAIOに引用されやすいと勘違いしやすいですが、AIは引用元を選ぶ際にセッション数やクリック率を見ません。
「読まれる」設計よりも「抽出される」設計が必要になります。
2.冒頭に結論を置く
AIはページ冒頭を最優先でスキャンします。
結論が後半にある記事は引用されにくくなります。
3.回答の完結性
1ページで疑問が完全に解決する構成が好まれます。
AIは補完が必要なコンテンツを嫌うからです。
つまり、SEOの土台に「AIが抽出しやすい書き方」を上乗せする、というイメージになります。
なぜ「一次情報」が決定的なのか
この中でも特に重要なのが一次情報です。
理由は明快で、AIはWeb上の二次情報(転載やまとめ)はいくらでもAI側で統合できてしまうからです。
唯一、AIが引用せざるを得ないのが、そこにしかない一次情報です。
| 自社調査、アンケートデータ | 数字やグラフを持つコンテンツは、AIが引用しやすい構造になる |
| 実績、事例、体験談 | E-E-A-Tの「経験」を最も直接的に示せる情報 |
| 専門家、監修者の見解 | 権威性と信頼性を担保し、AIの引用優先度が上がる |
調査データを持っている会社は、それだけでAIO引用の有力候補になれる、ということでもあります。
軸4.推薦される施策|AIに名前を呼ばれるブランドになる
ここから、ブランド名がAIOに推薦される領域に切り替わります。
「引用される」がSEOの延長線上にある話だったのに対し、「推薦される」はブランドがAIの中でどう認識されているかを解説します。
ユーザーが「〇〇のおすすめサービスは?」とAIに聞いたとき、ブランド名はどのようなプロセスで表示されるのでしょうか。
推薦を獲得するための4つの打ち手
- 比較、まとめメディアへの掲載:「〇〇おすすめ10選」などSEO上位メディアへの掲載が最重要
- 口コミ、レビューの蓄積:GoogleマップやSNSでのポジティブなメンションを増やす
- 専門メディア、業界誌への露出:権威あるメディアでの言及がエンティティ認識を強化する
- ブランドメンションの獲得:被リンクよりも「名前そのものの言及」がAIの学習データに影響する
キーワードはエンティティ認識です。
これは、AIの知識の中に、自社のブランドがひとつの実体として組み込まれ、学習された状態を指します。
「AIに一番に選ばれる」とは、どんな状態か
講演では、「推薦される」というゴールをさらに具体的に定義していました。
名前が候補に挙がるだけでは、AIに選ばれたとは言えません。
目指すべきは、AIが自信を持って「これが一番のおすすめです」と言い切れる状態です。
- 優先順位が高いこと:ただAIに候補として挙げられるだけでなく、一番手として紹介されるか
- 推薦理由に筋が通っていること:価格、実績、サポートといった比較の物差しに沿って、AIが理由を説明できるか
- 比較されても理由が明確なこと:競合と並べられたときに「なぜこちらが良いか」を示せる証拠があるか
この3条件が揃って初めて、「AIに一番に選ばれるブランド」になれます。
AIはどこから「推薦情報」を持ってくるのか

推薦情報の情報源を「学習データ」と「リアルタイム情報」に分けて整理
では、AIは推薦理を、そもそもどこから持ってきているのか。
ここを理解すると、施策の優先順位がクリアになります。
| 学習データ(パラメトリック知識) | リアルタイム情報(RAG、Web検索) | |
| 内容 | 大量のWebコンテンツからAIが事前に学習したデータ。推薦の際にブランド名の土台になる。 | 回答を生成するたびにWebを検索し、最新情報を取得して回答に反映する。引用元の提示に必須。 |
| 打ち手 | 権威メディア、業界誌への掲載 Wikipedia等へのエンティティ登録 Googleナレッジパネルの整備 |
SEO上位メディアへの掲載打診 レビューサイトの更新 SNS、プレスリリースの定期発信 |
| 反映スピード | 数か月から次のモデル更新まで時間がかかる | クロールサイクル次第で比較的早く反映される |
重要なのはAIが事前時学習データをもとに、リアルタイム情報を所得して回答に反映している点があげられます。
ブランド推薦においては、学習データとリアルタイム情報のどちらも必要なので、現状の露出状況を見極めて施策進行を行う必要があります。
【業界仮説】アフィリエイトメディアはAIO推薦に影響しているのか
講演の後半では、弊社が現場で持っている仮説が共有されました。
- 「〇〇 おすすめ」の検索上位は、アフィリエイトメディアが占めている
- アフィリエイトメディアは、AIOでも参照、引用される傾向が見られる
- 一方で、アフィリエイトリンクそのものはAIOと直接の関係はないと推測される
ここから立てている仮説が、SEO上位のアフィリエイトメディアに掲載されることが、AIO推薦への間接的な影響につながっているのではないか、というものです。
打ち手としては、上位メディアへの掲載打診が有効だと考えています。
弊社の購買行動調査でも、比較、まとめメディアが購買影響度の1位となっており、広告よりも第三者メディアが信頼される傾向が見られます。
メディア露出そのものが、AIの推薦だけでなく購買行動とも直結し始めている、という見方です。
本項は複数クライアントの実務観測に基づく仮説であり、現時点で公式なエビデンスが確立されているわけではありません。
クライアントへの処方箋|目的で施策を分ける
ここまでの話を、実際の提案に落とし込むと次のようになります。
| 情報として引用されたい | コラム設計、構造化、一次情報の強化。SEOとAIOを掛け合わせたコンテンツ戦略 |
| 名前で推薦されたい | 上位メディアへの掲載打診とSNSメンション獲得。ブランドメンション戦略 |
そして実際には、多くの企業に必要なのはこの2軸の同時設計です。
どちらか一方だけでは、片手落ちになってしまいます。
会場の様子

講演には多くのマーケティング担当者が参加
当日は最終枠にもかかわらず多くの方にご参加いただきました。
講演後の名刺交換会でも、自社がいま「引用」と「推薦」のどちらのフェーズに課題を抱えているかについて、多くのご相談をいただきました。
まとめ|「引用」と「推薦」を分けて設計する
「引用される」と「推薦される」を分けて考えると、AIO対策は一気にクリアになります。
1.コラムはAIに「引用」してもらう設計で作る
2.ブランド推薦はメディア掲載で「推薦」してもらう施策を狙う
3.この2軸を同時に設計できる会社が、次の時代を勝つ
AIO対策という言葉でひとくくりにするのではなく、まず目的を定義すること。
そこから施策を選ぶこと。
これが、いま最も実務的で、遠回りに見えて最短の進め方だと考えています。
当日の講演内容をまとめた資料「AIO解体新書」を無料で公開しています。
「引用される」施策と「推薦される」施策の全体像を、社内共有用にご活用ください。
【ゼロからわかる!AIO・LLMO入門ガイド】はこちら

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- コンテンツ戦略:AIO対応コラム設計、SEOコンサルティング、引用されるコンテンツ構造の設計、E-E-A-T強化、一次調査コンテンツ制作、AIO掲載状況のモニタリング
- メディア掲載戦略:アフィリエイトメディアネットワークの活用、SEO上位メディアへの掲載打診と調整、「おすすめ」キーワードでの露出設計、まとめ記事への掲載支援
登壇者プロフィール
佐々木 一郎(ささき いちろう)
株式会社シード Webマーケティング事業部 執行役員
2015年、DtoCマーケティングでクリエイティブデザイナーとしてキャリアをスタート。
2018年に株式会社シードへ入社し、WebディレクターとしてLP制作を通じたCV改善施策に従事。
WordPressでのメディア開発やクライアントへのSEO支援を経て、現在はマーケティングの視点からAIO・LLMOにも領域を広げ、「検索の次」を見据えた施策づくりを支援している。




