【広告主向け】アフィリエイトの特別報酬（特単）とは？仕組み・メリット・注意点まで徹底解説

アフィリエイト広告を成功させたいなら、「特別報酬（特単）」の仕組みをしっかり理解しておくことが大切です。

特単はうまく活用すれば、成果をグッと伸ばせる強力な武器となります。

この記事では、特単とは何か、通常報酬との違い、メリット・デメリット、さらには活用のコツまでをわかりやすく解説します。

アフィリエイト運用の幅を広げたい広告主におすすめの内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

本記事のまとめ：アフィリエイトの特単の早見表

特別報酬とは

アフィリエイト広告で成果を伸ばしたいときに検討したいのが「特別報酬」、通称「特単」です。

特単とは、通常の報酬である通常報酬よりも高めに設定された報酬のことをいいます。

一部の優秀なアフィリエイターに対して特単を設定することで、アフィリエイト広告の成果が伸びるように誘導する使い方が一般的です。

報酬額は広告主側で自由に設定でき、上乗せ幅としては通常報酬の10〜50％程度が一般的です。

一方、特単を設定するとCPAが高騰し収益を圧迫しますので、闇雲に特単を設定するのではなくLTV（顧客生涯価値）や利益率を考慮に入れて実施することが大切です。

通常報酬とは

特単に対して通常報酬とは、すべてのメディアに対して一律で適用される標準的な報酬金額をいいます。

ASPのアフィリエイター側の管理画面に表示される報酬金額が、通常報酬です。

通常報酬はメディア側がプログラム提携を検討する際の判断材料となります。

例えば、以下はa8.netのアフィリエイター管理画面です。通常報酬が赤枠の部分に表示されています。

通常報酬が高すぎると広告費がかさみ、低すぎるとメディアの掲載優先度が下がる可能性があるため、バランスが重要です。

競合の単価や自社のLTVなどを参考にしながら、自社に合った金額設定を行うことがポイントです。

参照：a8.net

特単の仕組み

発生件数が多いメディアや、特別な施策を実施予定のメディアに対して特単を適用し、自社の広告の掲載強化を行います。

特単適用までの流れとしては、特単金額、適用開始日、適用条件等をASPに連携し、ASPが特単の設定を行うことで特単適用が開始されます。

また、有力メディアになると、特単とともに承認率保証を求められることも多いです。

特単を一度適用すると通常報酬に戻すことは非常に難しいため、慎重な判断が求められます。

特単を活用するポイント

特単は単に設定するだけでは、十分な効果を発揮することはできません。

どのメディアに、どのような条件で、いくらの金額を提示するか。

しっかりと戦略を立てて運用することが大切です。

ここでは、特単を活用して成果を伸ばすために押さえておきたいポイントを4つ紹介します。

特単と掲載強化をセットにする

特単を設定しただけで、成果が一気に伸びるわけではありません。

特単だけを設定して終わってしまうと、単にCPAが上がるだけです。

特単を適用するからには、必ず「掲載強化」とセットで活用することが重要です。

「上位掲載を約束してくれるなら特単を設定する」といったように、成果の増加につながる施策の対価として特単を適用する交渉を進めましょう。

メディア側の意図も確認しながら、双方にとってプラスになる取り組みを行うことが、長期的に安定した成果につながります。

適用条件を事前に決めておく

特単をうまく活用するには、事前の条件設定がとても大切です。

「いつからいつまで適用するのか」「いくら上乗せするのか」「どんな掲載強化を行うのか」などを明確にしておくと、トラブル防止につながります。

特にSNS系のインフルエンサーやポイントサイトに掲載する場合、一気に大量の成果が発生することもあるため、否認条件や発生件数の上限をあらかじめ取り決めておくと安心です。

交渉や調整はASPの担当者が間に入ってくれるので、不明点があれば気軽に相談して進めていきましょう。

LTVを考慮した報酬金額設定

特単を設定する際には、LTVも考慮に入れて適用可否を判断するといいでしょう。

単に目の前のCPAだけをみていると、「今は収益性が悪いから特単適用は難しい」といういった固定観念を崩し、新たな施策を検討するチャンスが生まれます。

継続率が高い商品やサービスを扱っているなら、ぜひLTVを指標にした特別報酬の導入を検討してみてください。

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報酬に余裕を持っておく

特単を設定するときは、将来的な競合との報酬競争を見越して、報酬にある程度の余裕を持たせておくことがポイントです。

例えば通常報酬が1,000円で、許容できる最大が2,000円の場合、一律で2,000円を提示してしまうと、その後の交渉余地がなくなってしまいます。

実際には、有力メディアに対して1,100〜1,500円、最も成果を出しているメディアには1,600〜2,000円といった段階的な特単を設けると効果的です。

このようなピラミッド構造で単価を調整すれば、無理なく予算を配分できるだけでなく、各メディアのやる気や成果に応じた対応が可能になります。

結果として、全体のCPAもコントロールしやすくなります。

特単を設定するメリット

特単を設定することで、自社の掲載強化やメディアのモチベーションアップといった効果が期待できます。

ここからは、特単を導入することで得られる4つの具体的なメリットについて、事例も交えながら解説します。

成果を伸ばせる

特単を設定する一番のメリットは、シンプルに成果を伸ばすことができるからです。

通常報酬での実施だけでは、発生件数が頭打ちになることも少なくありません。

その理由としては、件数が取れる有力メディアになればなるほど、高単価を設定しないとそもそも掲載すらされなかったり、仮に掲載されたとしても掲載順位を後ろに回されてしまったり、独占紹介記事を書いてくれなかったりするためです。

そんなときに、特単を設定することで、自社の露出が増え、結果的に発生件数を増加させることができます。

有力メディアの掲載強化

特単は、有力メディアの掲載強化につながる施策です。

SEOで上位表示されているサイトや、フォロワー数が多いインフルエンサーは集客力が高く販売力も強いため、各広告主から個別に特単交渉を受けていることが一般的です。

そのため、そもそも特単を設定しないことには掲載すらできないこともよくあります。

こういった有力メディアに対し、掲載枠を確保する交渉を行うために必要となるのが特単なのです。

特単を設定することで、有力メディアへの掲載ができるようになり、さらにそのメディア内での掲載順位を上げることもできます。

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メディアのモチベーションアップ

メディアのモチベーションを高めるうえで、特単の役割はとても大きな意味を持ちます。

メディアにとっては、特単の付与が「これまでの努力が認められた証」と感じられ、運営者のやる気が一気に上がります。

新しい切り口で記事を追加したり、比較表を細かく見直したりと、次の成果につながる動きにもつながります。

さらに、より収益を伸ばしたいと考えるメディアは自らのサイト改善に取り組むようになり、結果として広告主の成果も底上げされます。

メディアとの関係性の強化

アフィリエイト広告では、メディアが広告を選ぶ立場にあるため、信頼関係の構築がとても大切です。

例えば、掲載実績があるメディアの単価を上げるだけでも、関係性はぐっと深まります。

また、特単は交渉や相談のきっかけにもなりやすく、今後の掲載強化や新規企画の提案につながる可能性も秘めています。

特単を設定するデメリット・注意点

特単は成果を伸ばす有効な手段ですが、導入にあたっては注意が必要です。

予算の増加や他メディアとの衝突など、思わぬデメリットが発生することもあります。

特単を設定する前に、デメリットや注意点を理解しておくことが大切です。

広告費が増加する

特単を設定する一番のデメリットは、CPAが高騰することと、広告費が増加することです。

加えて、特単を適用するメディアからのユーザーが継続的に利益を生み出せるのかどうかも見極めが重要です。

特単を検討する際には、LTVやCVR、リピート率などの指標もあわせて確認し、投資として見合うかを判断しましょう。

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一度設定すると解除できない

特単は一度設定すると、元の報酬に戻すのが難しい点に注意が必要です。

特単を解除すると「切られた」と感じるメディアも多く、掲載終了や今後の信頼関係の悪化につながる可能性があります。

以上のことから分かる通り、特単を設定する際には、解除を前提としない慎重な判断が求められます。

長期的な運用を見越して特単の金額設定・適用可否の判断を行うことが大切です。

承認率保証が必要になることもある

特単を設定するときに、メディア側から「承認率保証」を求められることがあります。

承認率保証とは、発生した成果のうち、一定割合以上を承認することを事前に約束する仕組みです。

特にリスティング広告などを運用するアドメディアに掲載する際に承認率保証が求められること多いです。

リスティング広告費用を先に持ち出して運用しているのがアドメディアですので、赤字にならないよう、確実に収益が得られるようにしていると考えられます。

承認率保証をつけると、本来は否認したい成果も承認しなければならなくなるため、自社の収益性やLTVが悪化する恐れがあります。

他のメディアとの不公平感が生じる

特単を一部のメディアにだけ設定すると、不公平感が生まれます。

通常報酬のメディアが、他のメディアに特単が適用されていることを知ってしまうと、さまざまなトラブルが発生しかねません。

特単の設定は必要最低限の範囲にとどめ、できる限り水面下で行う配慮が重要です。

また、複数メディアに特単を出す場合には、条件を明確にし、公平感があるように運用する意識が求められます。

獲得の質が低下する可能性がある

特単を設定すると報酬が上がるため、メディアがもっと収益を上げようと、広告訴求が過剰になってしまう可能性もあります。

例えば、成果を出すことを優先しすぎて、実態と異なるメリットを強調したり、やや強引な表現でユーザーを誘導することが考えられます。

その結果、広告経由のユーザーが早期に離脱したり、クレームにつながることも少なくありません。

特にブランディングを重視している商材の場合には、ブランドイメージを損なう表現は防がなければなりません。

質の高い成果を目指すなら、訴求内容のチェックや掲載先の精査など、細かい対応が不可欠です。

特単適用までの流れ

特別単価をスムーズに適用するには、順を追って確認・調整を進めることが重要です。

やみくもに報酬を上げるだけでは、成果に結びつかずコストが膨らむリスクもあります。

そのため、まずは現時点の獲得実績や掲載内容を把握し、強化すべきポイントを見極めることが第一歩です。

ここからは、特単を設定する際に踏むべき7つのステップについて、順を追って解説していきます。

【ステップ1】獲得実績を確認する

まずはメディアごとの獲得実績をチェックしましょう。

直近3〜6ヵ月の発生件数や伸び率を分析することで、成長傾向のあるメディアを見極める手がかりになります。

成果が右肩上がりなら特単の効果も期待しやすく、強化対象として前向きに検討できます。

逆に、成果が停滞している場合は他の手段を優先する判断材料になります。

【ステップ2】掲載記事を確認する

掲載メディアの記事内容をしっかり確認しましょう。

訴求ポイントが自社の商品やサービスとマッチしているかどうかは、成果に直結します。

誤った情報が記載されていないか、ユーザーに誤解を与える表現がないかも重要なチェックポイントです。

読者目線で読み、ブランドイメージとズレがないかを見極めましょう。

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【ステップ3】特単の金額を決める

特単の金額設定は、メディアとの交渉次第で成果が大きく変わります。

多くのメディアでは「◯円なら◯位で掲載できる」といった具体的な提案をしてくれることもあります。

競合との兼ね合いもあるため、掲載順位や見込める成果とのバランスを見ながら金額を決定することが大切です。

【ステップ4】具体的な強化内容を決める

特単を設定する際は、どのような掲載強化を行ってもらうか明確にすることが重要です。

例えば記事の上部へ表示する、LPへの導線を増やす、複数ページで紹介してもらうなど、具体的な強化内容をすり合わせましょう。

事前の合意が成果最大化につながります。

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【ステップ5】獲得シミュレーションを確認する

特単を検討する際は、メディアから提示される獲得シミュレーションをもとに実現可能性を見極めることが重要です。

自社のKPIや戦略とズレがないか、成果件数やCPAが現実的かを確認してから判断しましょう。

数字ベースでのすり合わせが成功の鍵です。

【ステップ6】条件周りを決める

特単を適用する際は、開始日、報酬単価、掲載強化の内容など細かい条件をあらかじめ明確にしておくことが重要です。

曖昧なまま進めてしまうと、あとからトラブルにつながる可能性があります。

双方が納得できる条件をしっかりすり合わせましょう。

【ステップ7】ASP・代理店経由で依頼する

特単の適用は、基本的にASPや代理店の担当者を通じて依頼します。

多くの場合、メディア側で掲載内容の確認や評価が完了してから、特単の適用へと進む流れです。

条件のすり合わせをスムーズに行うためにも、窓口となる担当者との連携が重要です。

特単の具体例

特単と一口に言っても、その設計方法はさまざまです。

メディアとの関係性や獲得状況に応じて、報酬の形を柔軟にカスタマイズすることで、より効果的な掲載強化が期待できます。

ここでは、実際によく活用されている特単の代表的なパターンをご紹介します。

一律報酬UP

一律報酬UPは、もっともシンプルな特単の設計方法です。

この仕組みはメディアにとっても分かりやすく、即時のモチベーションアップにつながりやすい点が特長です。

とくに多数の成果を安定して発生させているメディアには、収益性の向上を実感してもらいやすく、掲載の強化や露出位置の改善にもつながりやすくなります。

テーブル単価制

テーブル単価制は、成果件数に応じて報酬単価を段階的に引き上げていく仕組みです。

目標件数が明確に提示されているので、メディア側としてもモチベーションを維持しやすく、成果数の最大化につながりやすい点が特長です。

また、成果に応じて報酬を調整できるため、広告主にとってもコストコントロールしやすい方法といえます。

承認率保証

承認率保証は、特単とセットで語られることが多い制度です。

とくにアドネットワーク系のメディアに対して設定される場面が目立ちます。

メディア側にとっては収益が安定しやすくなり、積極的な広告出稿がしやすくなります。

一方で広告主にとってはリスクを伴う施策なので、実績やLTVなどを見ながら慎重に検討する必要があります。

固定費支払い

固定費支払いは、有力メディアに対して行われることが多い特別な施策です。

成果報酬型ではリスクが高くなる施策や、露出の保証が必要な場合に効果的です。

ただし、メディアの集客力や信頼性をしっかり見極めたうえで導入を検討しましょう。

期間限定での報酬UP

期間限定での報酬UPは、短期間で成果を一気に伸ばしたいときに有効な特別単価の運用方法です。

例えば「1/1〜1/31の1ヵ月限定で、全メディアの報酬を1.5倍に引き上げる」といった施策が代表的です。

さらに「期間中に10件以上成果が発生したメディアには、翌月以降も特単を継続適用」といったインセンティブを加えることで、メディア側のモチベーションも大きく高まります。

このように特単は成果状況に応じて柔軟な活用ができるのが魅力です。

まとめ

特単は、うまく活用できればアフィリエイトの成果を大きく伸ばす心強い手段です。

通常報酬だけでは伸び悩む場合も、戦略的に特単を設定することでメディアのやる気を引き出し、関係性も深まります。

一方で、費用や条件設定には注意が必要です。

メリットとデメリットをしっかり理解した上で、自社のLTVや獲得目標に合った使い方を検討してみてください。