GoogleのAIモード・AI Overviewsに広告を出せる?出稿場所やポイントを解説

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公開日:2025.10.31 / 最終更新日:2025.10.31


AIモード

Google AIモードや、AI Overviewsへのリスティング広告出稿が、まもなく日本に上陸する見込みです。検索連動型広告そのものが「キーワード」の一致から「AIとの対話・文脈」へと根本的にシフトすることが予想されます。

この変化をキャッチアップできない場合、競合に大きく距離をあけられ、取り戻せないほどの機会損失を招くことになりかねません。

本記事では、AIモードとAI Overviewsで利用可能となる広告の種類、出稿メリット、費用対効果を上げるためのポイントを徹底的に解説します。競合がまだ動いていない「今」だからこそ、先手を打つための具体的な戦略をここで手に入れてください。

 

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Google AIモード・AI Overviewsに広告を出せる?

Googleは、2025年8月21日(米国時間)に、日本を含む世界180の国と地域でAIモードを実装すると発表しました。AIモードの実装にともない、日本語版のGoogle検索でAIモードが試せるようになったのは2025年9月9日以降です。一方、AI Overviewsは2024年8月に日本国内でスタートしています。

これらの新しいAI検索機能における広告出稿について、海外ではすでに表示されている事例があるものの、日本国内ではまだ本格的に広告の表示は始まっていません。

しかし、今後出稿が可能になると見られています。具体的には、AI Overviewsの画面では、AIによる回答の内部または下部に広告が挿入されることが予想されています。対してAIモードについては、現時点で具体的な広告ポリシーが公開されていないため、広告の表示形式や仕組みはまだ不明です。

Google AIモードの広告配信イメージ AI Overviewsの広告配信イメージ
Google AIモードの広告配信イメージ AI Overviewsの広告配信イメージ

引用:IT media NEWS

これらの広告配信イメージからもわかるように、AI検索面は従来の検索結果とは異なります。まず、両者の違いを明確に理解しておきましょう。

GoogleのAIモードとAI Overviewsの違いは?

Googleが提供するAI検索機能には、「AIモード」と「AI Overviews」という2つの形態があり、以下のように表示場所や特徴が異なります。

項目 AI Mode (AIモード) AI Overviews
表示場所 専用の対話型画面 検索結果画面の上部
特徴 ・ユーザーとAIが対話し、一つの質問から派生する疑問を深く掘り下げることが可能
・追加の質問をAIに投げかけ、対話を継続できる仕様
・検索クエリに対する要点のみを簡潔に要約して提示
・より詳細な情報が必要な場合、リンクされている元の記事に移動

AIモード

AIモードのイメージ

AIモードは、従来の検索結果に組み込まれる要約とは異なり、AIと対話しながら調べ物を進められる専用の画面です。ユーザーは最初のAIの回答を得た後、その情報をもとにそのまま追加で質問できます。

質問をいくつかの話題に分けて並行して調べることも可能です。AIモードは、AI Overviewsで得られる情報に加え、さらに一歩踏み込んで、情報を多角的に深掘りできる環境をユーザーにもたらします。

そのため、ユーザーは対話を通じて、疑問点を解消できるようになります。

AI Overviews

AI Overviewsのイメージ

AI Overviewsは、従来の検索結果画面の最上部に表示される、AIによる概要をまとめた要約機能です。検索クエリに対する簡潔な概要のみが表示されるため、素早く大枠の情報を把握できるようになります。

しかし、表示されるのはあくまで概要であるため、より詳細な情報や深掘りの質問をしたい場合は、対話型のインターフェースであるAIモードに移行する必要があります。要約の根拠となった詳細な情報を知りたい場合は、そこにリンクされている元の記事に移行することが可能です。その上で、情報の真偽を確認することになります。

Google AIモードとAI Overviewsに出稿できるリスティング広告の種類

Googleの新しいAI検索機能であるAIモードとAI Overviewsでは、現在米国において以下の種類のリスティング広告が配信可能となっています。

  • テキスト広告
  • ショッピング広告
  • ローカル広告
  • アプリ広告

この制限は、AIモードにおいても同様に適用されると予想されます。

テキスト広告

テキスト広告は、リスティング広告の基本中の基本であり、最も一般的な文字ベースのフォーマットです。見出しや説明文、表示URLで構成され、ユーザーが検索窓に入力した検索意図(キーワード)に直接反応して表示されます。

AIモード(AI Mode)やAI概要(AI Overviews)では、このテキスト広告がAIの生成した回答の文脈の中に挿入される仕組みです。特にAIモードでは、ユーザーの複雑な問いかけに対して、広告文が課題解決の具体的な提案として機能することが期待されます。従来の検索結果枠よりも、ユーザーの疑問に「より深く、より早く応える」クリエイティブ設計が大切です。

ショッピング広告

ショッピング広告は、商品に特化した視覚的な広告フォーマットです。商品画像や価格などが一覧で表示され、ユーザーに直感的に情報を伝えることで、購入意欲が高まります。

この広告を管理するのは、Google Merchant Centerです。AIモードでは、ユーザーが購買意図を示す検索キーワードを投げかけた際に表示される考えられます。

例えば、「2025年 おすすめ ワイヤーレスイヤフォン」で検索されたときに、AIの回答のすぐ横や下に、人気メーカーの最新モデルの画像と価格が並んで表示されます。

AIの回答内で特定のカテゴリの商品が言及されたり、商品比較が行われたりする文脈で表示されるため、購買決定の直前のユーザーにリーチしやすいです。情報の正確性と画像の質が、AI環境下でのクリック率とコンバージョン率を左右します。

ローカル広告

ローカル広告は、実店舗を持つビジネスにとって重要な広告フォーマットです。レストランやサービス業、小売店など、特定の地理的エリアにいるユーザーをターゲットにし、来店や電話といったオフラインでの行動を促すことを目的としています。

Googleマップとの強力な連携が主な特徴です。AIモードで「近くの美味しいカフェ」や「20名で予約できる居酒屋」といった位置情報を含む質問がされた際に、AIの回答と結びついて表示されます。

AIモードは対話を通じてユーザーのニーズを正確に把握できるため、ローカル広告は「今すぐ行きたい」という強い意図を持つユーザーにダイレクトに訴求できます。

アプリ広告

アプリ広告は、インストール促進や既存ユーザーのアプリ内での特定の操作を目的とした広告です。広告主はクリエイティブを複数用意するだけで、Google検索やYouTube、ディスプレイネットワークなどのプラットフォームに自動的に配信されます。

AIモードで、ユーザーが「タスク管理の方法を知りたい」や「勉強効率をより上げる方法を知りたい」など明確なアプリニーズを含む問いを投げかけるとしましょう。

その際に、AIモードの画面上で関連するアプリのインストール誘導を目的とした広告が、会話の文脈に沿って提示される可能性があります。ただし、これは公式発表段階ではなく、テスト・段階で観測されている事例に基づく仮説です。

このように、AIとの対話で顕在化したニーズに対して、アプリをソリューション候補として提示できれば、質の高いインストール獲得につながると考えられます。

Google AIモードやAI Overviewsにリスティング広告を出すメリット

merit

Google AIモードやAI Overviewsへの広告出稿は、単に露出が増える以上の、費用対効果とターゲティング精度につながるメリットがあります。具体的には下記の3点です。

  • 質の高いユーザーにアプローチできる
  • 新しい広告枠を獲得できる
  • 従来のリスティング広告よりも精度が高い

質の高いユーザーにアプローチできる

Google AIモードやAI Overviewsを利用するユーザーは、特定の情報や解決策を深く求めている傾向があります。「検索しても求める情報が出てこない…」「専門的な情報を、段階を踏んで分かりやすく教えてほしい」といったユーザーがこれらの機能で疑問を解決していることが予想されます。

そのため、AIによる会話応答に統合されて表示される広告は、ユーザーの検索の文脈や意図に合致した形で提供される可能性が高いです。疑問や不安が解消されたタイミングで、広告をクリックするため、単なるキーワード検索からよりも、コンバージョンにつながりやすくなります。

新しい広告枠を獲得できる

AI検索面は、従来の検索結果ページとは明確に異なる新しい広告枠です。AIモード内に広告を掲載することで、従来の枠とは違う、新しい、目立つ広告枠を獲得することにつながります。

特にサービス開始初期は、競合が少ないため先行者利益を得やすい環境です。競合が広告を出していないことが考えられるため、検索結果におけるユーザーの目にも入りやすくなります。

従来のリスティング広告よりも精度が高い

AIモードに広告を出す大きなメリットは、従来のリスティング広告の精度を大きく上回るターゲティングが実現することです。AIがユーザーの自然な質問や会話の文脈全体を理解し、その深い検索意図に基づいて広告を配信するようになります。

単なるキーワードの一致ではなく、ユーザーの求めていることまでをAIが把握することで、ターゲティング精度が格段に向上するのが理由です。

また、生成AIが検索文脈に完全に合わせた広告文を瞬時に生成し、最適なものを自動で表示します。この機能により、広告とユーザーニーズとの関連性(精度)が高くなり、結果としてコンバージョン率が向上します。

Google AIモード・AI Overviewsにリスティング広告を出す際のポイント

日本でAIモードにリスティング広告を出稿し、成果を上げるために押さえておきたいポイントを予測し、以下にまとめました。

  • 日本で出稿できる広告の仕様が公開されていない
  • ジャンルによっては広告出稿ができない
  • P-Maxキャンペーンの運用を強化する
  • 「対話の文脈」を意識したアセットを準備する
  • E-E-A-Tを強化する
  • 費用対効果(CPC)の上昇に備える

順番に確認していきましょう。

日本で出稿できる広告の仕様が公開されていない

GoogleはAds & Commerce Blogにて、AIモードに関して「会話の流れに広告を挿入するテストをしている」と明記しています。海外の代理店・媒体向けには、この広告が、ユーザーの単一のキーワードではなく、会話全体の文脈に合わせて表示される仕組みであると説明されています。

しかし、この仕組み自体は米国でテスト中であり公表されていますが、具体的な種類や詳細な仕様については、日本国内ではまだ未公開の状態です。

広告出稿ができないジャンルがある

広告出稿ができない、または制限されるジャンルについては、Google広告の既存の規約が踏襲される見込みです。具体的には、アダルトやアルコール、ギャンブル、金融、ヘルスケア、政治といったデリケートな分野の広告は、AI Overviewsに表示されないことがGoogle広告の規約に定められています。

現在、アダルト、アルコール、ギャンブル、金融、ヘルスケア、政治などのデリケートな分野の広告は AI 概要に表示されません。

※引用:Google広告ヘルプ

この制限事項は、新しい機能であるAIモードにおいても同様に適用され、これらのジャンルの広告は表示されない可能性が高いと予想されます。

P-Maxキャンペーンの運用を強化する

AIによる自動運用と最適化が中心となるAIモードとの相性が良いのが、P-Max(パフォーマンス最大化)キャンペーンです。AIモードがGoogle検索の次世代の形であるのに対し、P-MaxはGoogle広告のAIと機械学習の力を最大限に活用するために設計されています。P-Maxは、Googleの全配信面(検索やYouTube、Gmailなど)を網羅するため、従来のキャンペーンよりも大量で多様なデータを収集可能です。

そのため、予測困難なロングテールクエリにも対応できるため、従来の検索キャンペーンでは獲得できなかった潜在顧客へのリーチ拡大を期待できます。

「対話の文脈」を意識したアセットを準備する

AIモードが導入されると、ユーザーの検索行動はキーワードの羅列から「AIとの対話」へと大きく変わります。ユーザーが「〇〇と〇〇を比較したい」「△△を解決するための最良の方法は?」といった、より具体的で複雑な質問を入力する傾向が強まります。

AIモードに対応するため、広告文は「解決策を提供する」という視点で作成することが有効です。単なる商品紹介ではなく、ユーザーの質問に対する次のステップや具体的な解決策を示すことで、AIの回答に続く会話に自然に溶け込む表現を目指しましょう。P-Maxキャンペーンで多様なアセットを用意する際は、これらの「対話型アセット」を充実させることが、成果を上げやすくなります。

E-E-A-Tを強化する

AIモードの大きな特徴は、回答の生成にあたり信頼性の高い情報源を重視する点です。AIは、誇張された情報や根拠の薄いコンテンツを引用することを避ける傾向が強いため、広告主のWebサイトやランディングページが、Googleが定めるE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の観点から、質の高いコンテンツを提供していることが今まで以上に重要になります。

たとえば、Webマーケティング会社であれば、自社で運用した具体的な成功事例を数値とグラフで公開します。単なる理論ではなく、実務を通じて得られた独自の知見を発信することが大切です。

AIが信頼できる情報源として認識すれば、広告が表示される際の品質スコアや掲載機会の向上につながると考えられます。具体的には、サイト運営者情報やプライバシーポリシーの明確化、専門家による監修情報の明記などを徹底し、企業としての「信頼性」を高めることが、AI時代における広告効果を高めます。

費用対効果(CPC)の上昇に備える

AIモードは、検索結果の目立つ位置に表示されるため、結果としてクリック単価(CPC)が上昇することが予測されます。従来のリスティング広告よりも競争が激しくなるこの環境下で成果を維持するためには、コスト効率を厳格に管理することが必要です。

まず、広告の効果を厳密に計測し、コンバージョン率(CVR)を最大化するためのランディングページ(LP)改善に今のうちから徹底して取り組んでおきましょう。CPCが上がっても、CVRが高ければ採算が合います。

また、入札戦略においても、単純なコンバージョン単価(CPA)だけでなく、顧客生涯価値(LTV)や粗利益を考慮に入れる必要があります。長期的な視点から費用対効果を追求することが、AI時代を勝ち抜くための不可欠な対策です。

まとめ|Google AIモードやAI Overviewsにリスティング広告を配信できるときに備えて準備しよう

GoogleのAIモードおよび、AI Overviewsへのリスティング広告出稿は、まもなく本格的に始動するでしょう。この新しい検索環境では、広告の成否は従来のキーワードから「AIによる自動最適化と会話の文脈」に移行することが予想されます。先行者利益を得るには、今すぐ準備を始めることが不可欠です。

競合が動き出す前に、本記事で紹介した戦略的な準備を徹底し、AI検索時代におけるリスティング広告の主導権を確保しましょう。

 

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